
ゴークランの火星効果
ミッシェル・ゴークラン(1928-1991)はもともとフランスの心理学者・統計学者で、占星術は本当に当たるのかを統計的に調べた人で有名です。
ゴークランはホロスコープを18のセクターに分けて、実に5万人ともいわれる人々の出生図にある天体位置を調べました。そしてその中で、火星と職業の位置には相関関係があるということを発見しました。生まれた時間のどこに火星が位置していたのかを調べると、結果として優秀な医師達の多くが、火星と土星が上昇と天頂前後に生まれていることを突き止めたのです。また次点で多かったのが、没と下降ということもわかっています。
ゴークランの火星効果(the “Mars effect”)

天体と職業との相関関係
ゴークランが調べ上げた中では、火星、土星、月、金星、木星以外の天体については、有意な差異はみられないとも発表しています。
スポーツ選手・・・火星
軍人・・・火星または木星
俳優・・・木星
医者・・・火星または土星
政治家・・・月または木星
会社重役員・・・火星または土星
科学者・・・火星または土星
作家・・・月
画家、音楽家・・・金星
ジャーナリスト・・・木星
劇作家・・・木星
超天才のホロスコープではどの天体と相関関係が見いだせるのか
で、ここまでゴークランのことを調べて、占いをにわかに知っている私は思うわけです。
「お医者さんとか科学者とか、頭のいい人のホロスコープって水星とか天王星とかトランスサタニアンが効いているんじゃないの?何故火星??本当に???」って。。。
各天体のもつ基本的な意味
水星・・・個人の知能の使い方、神経発達
天王星・・・独自性、ひらめき
海王星・・・夢の意識
冥王星・・・深い意思
そこで今回、アストロデータバンクに登録公開されている出生時間のわかるメンサ会員のホロスコープ184個をチェックしてみて、上昇、没、下降、天頂に対し非常に接近している天体は無いか調べてみたいと思います。
※メンサ会員・・・1946年にイギリスで設立された、IQ(知能指数)がだいたい130以上持つ人の為の国際グループの会員のことです。世界で15万人、日本では7000人いるといわれています。ちなみに東大生でIQ120と言われています。
メンサ会員184名のホロスコープを調べてみる
上昇はASC付近、天頂はMC付近、没はDSC付近、下降はIC付近とします。つまりアングルと呼ばれる軸の位置に、天体があるかないかを調べてみようというわけです。
あとはオーブをどれくらいとるかですね。ゴークランは10°でとっていたような気がするのですが定かではないので、ここは松村潔先生のオーブは±6°で、太陽と月を含む場合は±8°までとして調べてみたいと思います。

きっちりは調べていませんので、この結果はあくまで参考までにお願いします。
結果
上昇(ASC) | 没(DSC) | 下降(IC) | 天頂(MC) | 天体出現数合計 | カルミネート数 | |
太陽 | 4 | 11 | 15 | 15 | 45 | 3 |
月 | 10 | 6 | 6 | 11 | 33 | 2 |
水星 | 2 | 8 | 6 | 5 | 21 | 1 |
金星 | 7 | 6 | 7 | 5 | 25 | 1 |
火星 | 8 | 6 | 10 | 8 | 32 | 4 |
木星 | 7 | 3 | 5 | 4 | 19 | 3 |
土星 | 5 | 6 | 5 | 8 | 24 | 6 |
海王星 | 9 | 4 | 6 | 11 | 30 | 5 |
天王星 | 1 | 4 | 8 | 10 | 23 | 6 |
冥王星 | 9 | 7 | 5 | 6 | 27 | 4 |
62 | 61 | 73 | 83 |
- メンサ会員184名のうち、上昇、没、下降、天頂のどこかに天体が接近している・・・149名
- 上昇、没、下降、天頂のうち、1つの軸だけ天体が接近している・・・83名
- 上昇、没、下降、天頂のうち、複数軸に天体が接近している・・・66名
- 上昇、没、下降、天頂のすべての軸に天体が接近している・・・0名
- 上昇、没、下降、天頂のうち1番多く接近していたのは天頂(MC)・・・83天体
- 上昇、没、下降、天頂のうち2番目に多く接近していたのは下降(IC)・・・73天体
- 上昇に最も多く接近していた天体は月・・・10名
- 太陽と月以外で最も多く接近していた天体は海王星と冥王星・・・それぞれ9名
- 没に最も多く接近していた天体は太陽・・・11名
- 太陽と月以外で最も多く接近していた天体は水星・・・8名
- 下降に最も多く接近していた天体は太陽・・・15名
- 太陽と月以外で最も多く接近していた天体は火星・・・10名
- 天頂に最も多く接近していた天体は太陽・・・15名
- 太陽と月以外で最も多く接近していた天体は海王星・・・11名
- 上昇、没、下降、天頂すべてにおいて最も多く出現した天体は太陽・・・45回
- 太陽と月以外で最も多く出現した天体は火星・・・32回
- メンサ会員184名のうち、上昇、没、下降、天頂のどこにも天体が接近していない・・・35名
- 上昇、没、下降、天頂に天体は接近していないが、カルミネートしている天体は土星と天王星・・・それぞれ6名
考察まとめ
私の拙い表でおわかりいただけたでしょうか。個人的なの感想としては衝撃的な結果が出ていました。上昇(ASC)、没(DSC)、下降(IC)、天頂(MC)の全てに太陽と月の出現率が高いのは、オーブを広めに取っているせいもあると思いますが、次点で火星の出現率が高いという結果がでました。これはなかなか興味深い結果だと思います。
ちょっと火星効果すごいと思いましたよ。「有能な医師のホロスコープでは火星や土星が上昇や天頂にある」というより、「火星や土星が上昇か天頂にある人は比較的IQが高く、選ぶ傾向にある職業の一つが医師」と言った方が、この結果の説明がつくのかもしれません。
知的な分野は水星の管轄かと思っていたのですが、世の中に出ていく力、挑戦する積極性、行動力や主張となると攻めの火星なんですね。上昇にあれば個人の行動の癖、下降にあれば習得能力、没にあれば他者からどう見られるか、天頂にあれば仕事や大人としての意識に対して獲得能力が働くといったところでしょうか。だとしたら牡羊座(支配星が火星)が強いホロスコープではどうなのか、また医師であればキロンの位置も気になるところではあります。
それから、天体がアングル(軸)に接近しているホロスコープを持っている人が多すぎると思いました。こんなに偏るものなのでしょうか。実に80%の人が何らかの天体がアングルに接近しています。これは、平均IQ105あたりの人物のホロスコープでも同じような偏りが生じるのか、比較してみないことにはなんとも言えませんが。。。
あとは天王星がもっと目立つのかと思っていましたが個性に出るのか、天王星上昇にいたっては1名だけ(それも金星と天王星が合して上昇点にある)しかおりませんでした。12ハウスに天王星がある人は結構いたんですが。。。「統計」でみるとトランスサタニアンとはいえ有意な差異はあるのかというと、この中では想像力の海王星が一番上昇と天頂に多く表れているのも面白い結果だと思います。頭が柔らかいということなのでしょうか?
メンサ会員の出生図にある天体では、上昇、没、下降、天頂に対する天体出現数としては、下降と天頂に多い結果となりました。
また太陽と月を除いた天体でみると、ゴークラン風にいえばIQの高い人達(IQ130を持つと言われるメンサ会員)の多くが、海王星と火星が上昇と天頂前後に生まれていると結果としてまとめたいと思います。
以上、考察を終わります。